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2011年4月

2011年4月28日 (木)

震災後初めての帰郷

4月22日から26日まで、宮城県仙台市に帰郷した。長文になるけれど、自分の記憶をしっかり残したいのでここに記します。

震災後、初めての帰郷となった夜。仙台は冷え込んでいて寒かったが、どうしても撮影したかった実家からすぐの桜を見に行った。Img_2476 残念ながら桜は既に散っていた。この桜を見て過ごした青春時代。

実家から近いからいつでも撮れる、今年こそは撮ろう・・・と毎年想いながらずっと後回しにして来た。今回の帰郷の際は絶対撮ろうと思っていたけれど、花が咲いている時に間に合わなかった。桜の咲くタイミングは難しい。特に今年の東北は寒かったのと、震災の影響もあり、桜開花の予想を立てるどころじゃなかった。

「いつでも撮れる」と思っていては、ダメだと思った。写真は瞬間を収める物。今しか撮れない。花は散っていたが、シャッターを切った。

Dsc01411 翌日、実家の様子、近所の様子を見て回った。内陸部は沿岸部のような大きな被害はないように思えたが、地滑りが起こっていると言う。所々、大きな地割れがあったり、倒壊している家があったり・・・地震の爪痕が沢山残っていた。

この日の夜、中学の同級生達と再会。みんな大変な時なのに沢山集まってくれた。今年のお正月、12年ぶりの同窓会で久しぶりに再会したばかりだった事もあり、同級生ネットワークが広がった。震災後、みんな連絡を取り合い安否確認や情報交換をして強い絆を深めていった。震災直後、遠方に離れた同級生達が実家の様子が分からず路頭に迷っていた所、沢山の同級生達が情報をくれた。私の親も、友人が助けてくれた。様子を見に行けない分、同級生達が親や親戚の様子を気遣ってくれた。

ありがとう!! 友達の大切さが身に染みる。

Dsc0140424日、父のお墓が心配だったので、母と2人でお墓参りへ行った。お墓までの道中、道路がかなり隆起している所が多かったが、お墓は無事だった。とてもいい天気だったので、母と2人でお父さんのお墓の前で昼食を取る。地震で母はとても疲れた様子だった。

Img_2488 25日、中学の同級生の音楽家、中川賢一さんのチャリティーコンサートに同行させてもらう事になった。中川君は震災後、沿岸部の被災地を回り、チャリティーコンサートを行っているとの事。今回、私は、正直に言うと沿岸部へ行く事を少しためらっていた。日程的にも余裕がなく、ボランティアするにも何も知識もなく。物資も大量に用意する事が出来ないし・・・等と、自分に言い訳をして逃げていた。

ただ単に、現実をこの目で見るのが怖かった。一人で沿岸部に行くのが怖かったのだ。

そんな時に、同級生の集まりに来ていた中川君からチャリティーコンサートの話を聞き、私も同行したいと申し出た所、快く受け入れてくれた。

出発予定時刻、仙台は急に雷雨が。かなりの集中豪雨だったので、本当に沿岸部に行けるのか不安だったが、出発した。空はどんよりと暗く、私の心を現しているみたいだった。

Img_2546仙台駅から車で15分くらいの辺りから急に風景が変わった。道路脇には壊れた車の山。中央分離帯に残る瓦礫の山と海の砂・・・。過去によく見ていた風景とは明らかに違う。被害の範囲の広さに驚いた。この道に津波が襲いかかり、沢山の方々が亡くなられたそうだ・・・。

Img_2567悲惨な光景は浜に近付くほど大きくなった。七ヶ浜の町に入ると、完全に風景が変わった。突然現れた瓦礫の山・・・。この瓦礫の中を通って、演奏する場所へ行くのだ。

Img_2674眼前に現れた、菖蒲田海岸。ここは昔、家族や友人と海水浴に訪れた場所。

以前見た町は跡形もなくなっていた。

「全部流されてなくなったよ」地元の方が話してくれた。

ミニコンサート会場は、津波で浸水しながらも奇跡的に残った「とと家」。HPには、以前の浜の様子と現在の様子が赤裸々に掲載してある。

「とと家」 http://www.c-marinet.ne.jp/~ktsutsum/totoya/hitomi.html

ミニコンサートはピアノとチェロの二重奏。「少年時代」「川の流れのように」等のPOPSの他、クラッシックの名曲まで、世界で活躍するアーティスト2人が魂のこもった演奏を披露した。

Img_2636 Img_2610 ピアノ・中川賢一

http://www.proarte.co.jp/japanese/2011jpn-artist/leader/post-1.php

Img_2616_3  チェロ・丸山康雄  http://www.rondomusic.co.jp

丸山さんのチェロの音を聴いて、一発でファンになった。素敵! また絶対どこかで演奏を聴きたい!

2人の素晴らしい演奏に被災者の皆さんの目から沢山の涙がこぼれ落ちる・・・

「とと家」のオーナー、ひとみさんからのリクエストでドビュッシーの「月の光」を弾く中川君。

津波で海水に浸かってしまったピアノ。それでも綺麗な音色が響く。

ふとピアノの上の時計が目に入った。

奇しくも時計の針が14時46分を差していた・・・。震災が起こった時間。美しく静かなピアノの調べと共に、皆のすすり泣く声・・・

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あまりに切ない気持ちと魂のこもったピアノに私も泣いてしまった。中川君のピアノと丸山さんのチェロは人の心を動かす力がある。

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最後に演奏に合わせ、みんなで「川の流れのように」「ふるさと」を合唱した。みんな思い切り声を出し、歌っていた。次第に笑顔になって行く。その笑顔に癒される。

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音楽の力は偉大だ。一瞬でも人の心を癒す事が出来るのだから。

Img_2569演奏会が終わり、外へ出ると梅の花が咲いていた。

「中川君、丸山さん、素敵な時間をありがとう。そして「とと家」の方々、集まった皆さん、ありがとうございました。皆さんの復興を心から祈っています。そして「とと家」にまた伺いたいです!美味しいお食事、楽しみにしています!!」

Img_2685 26日の早朝、親戚の家の庭に咲く山桜は、満開になっていた。これから仙台を発つ。叔母達に見送られ、東京を目指す。東北道を走っていたら、大好きな福島の文字が・・・

気が付いたら、二本松ICで降りていた。

立ち寄ろうか迷っていた、福島県。大好きな福島県。ICを降りた途端、私の中の桜レーダーが動いた。

Img_2705 合戦場の枝垂れ桜が満開だった! 福島は花盛り!

Img_2773 原発の影響で観光客が減ったと聞いていた「三春滝桜」。実際は、沢山の人で溢れていた。平日の早朝なのに人がどんどん増えていく。福島ナンバーだけでなく、関東や関西、北海道のナンバーの車も入っていた。駐車場はあっと言う間に満車。ホッとしたし、すごく嬉しかった。

滝桜の根元にあるお堂に手を合わせ、震災で亡くなられた方々のご冥福を祈り、被災地の復興を祈った。2011年の滝桜、とても美しい姿だった。心から、行って良かったと思う。また来年も再来年もその先も滝桜と会えますように・・・。

今回の東北帰郷で色々な事を考えさせられた。自分の無力さを知り、どうしようもなく落ち込んだけれど、私に出来る事をしっかり考え、次回の帰郷の時には少しでも役に立てれば・・・と思う。復興への道のりは長いけれど、風化しないようにして行きたい。

最後に救援物資、何を送ったら良いのかを悩んでいる方へ

救援物資は炭水化物ばかりが多く、栄養が偏ってしまうそうです。今回、中川君からの提案で果物を被災地に持って行く事にしたのですが、果物も傷みやすい物が多いので、私はフルーツの缶詰を持っていきました。缶切りを使わずに開けられるタイプの物です。缶詰だったら長く保管出来ますし、フルーツはビタミンが豊富なのでオススメだと思います。被災地は乾燥や埃で肌が荒れてしまうようなので、フルーツ缶は喜ばれるかも。常に状況は変わってると思いますので、その時々で必要な物は変わると思います。また状況が分かり次第、ご報告致します。

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2011年4月14日 (木)

日本で一番古い桜

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今日は、山梨県 実相寺の山高神代桜を撮りに行ってきました。

この桜は日本三大桜の一本。日本で一番樹齢が長い桜です。(樹齢2000年!)

以前一度訪れてとても感動しましたが、今回もこの樹の力に圧倒されました。

2000年もの間、この樹はこの場所で色々な歴史を見て来たのだろうなあ・・・

力強いこの桜からエネルギーをもらった気がします!

前を向いて上を向いて頑張るぞ

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2011年4月13日 (水)

日の出

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4月13日、朝5時です。

綺麗な日の出に思わず写真を撮りました。

太陽の光が綺麗です。

今日は全国的にあたたかくなるようですね。

いい一日になりますように!

皆さんにとって幸せな一日になりますように!

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2011年4月11日 (月)

震災から1ヶ月

震災から1ヶ月経ちました。

桜の側で黙祷を捧げたく、北の丸公園まで行って来ました。

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とても天気も良く、桜も美しく。風で桜の花びらが舞い、雪が降っているようでした。

突然空が暗くなり、雨が・・・

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雷が鳴った途端、グラグラと揺れ始めました。

福島、茨城で大きな余震。

震災から1ヶ月の今日、またこんなに大きな余震が来るなんて。

今もまた大きく揺れ始めました・・・お願いだからもう揺れないで!

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2011年4月 8日 (金)

これでもかこれでもか・・・

昨晩も地元宮城で大きな余震がありました。

今日になって親と連絡が取れ、無事を確認しました。

怪我もなかったようなので一安心。

ようやく復興に向けて頑張っていた所での大きな余震だったので、少し気落ちしている地元の声を聞き、さすがに

「頑張って」

とは言えなかったです。

「気を付けてね」

と言う言葉しか言えなかった・・・。私が元気付ける立場なのに。ほんと自分のヘタレに嫌気がさします。

今から気持ちを切り替えて、再来週帰郷して親や親戚や友人に元気を渡して来ます。

毎日桜を更新しようと思いつつ、ちょっとへこたれてましたが、一昨日も昨日も桜を見ています。一眼で撮る元気がなかったのでコンデジ画像ですが・・・

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4月6日、仕事帰りに東京の幡ヶ谷の公園で見かけた桜。

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4月7日、仕事先の浅草の風景スナップ。この近辺は沢山花があるので和みます。

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浅草からの風景の中には、いつもスカイツリーが見えます。

こんなに高い所まで出来上がっていたんですね・・・気が付きませんでした。

上を向いて歩いているつもりでしたが、目の前の事だけしか見えなくなってしまっていたようです。上を見上げれば、スカイツリーも桜の樹も高く天に向かって伸びているんだな・・・と感じられました。ここから見る風景、大好きです。こうやってのんびりこの近辺をスナップして歩く余裕が減ってしまいそうなので、寂しいけれど・・・。

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浅草の路地を曲がると古い家が多くて趣があります。古い選挙ポスターを見てそう言えば日曜日は都知事選だなあ、と思い出しました。選挙の事すら忘れてました

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浅草の仕事帰り、どうにもやるせない気持ちになり、四谷土手の桜を見に行きました。

節電で電灯が暗くなっていたので、コンデジではブレブレの画像になってしまいましたが昨晩もまた光を探して撮ってみました。

昨晩はあたたかかったけれど風がとても強く、満開になったばかりなのに桜は少し散り始めてました。でも、強い風にも負けず、雨にも負けず、寒さにも負けず、今年も桜は元気です!!

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2011年4月 6日 (水)

根もとから咲いて行こう

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4月5日、目黒区祐天寺の境内に咲いていた根もとから咲く桜です。

友人夫婦とお花見に祐天寺に行って来ました。

根もとから咲いている桜があるんだよ、と教えてもらいました。

こんなに根もとから咲いている桜を見たのは初めて。

桜の生命力の強さに感動しました!

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祐天寺の桜はもうそろそろ満開・・・と言う感じでした。

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祐天寺のソメイヨシノは古木が多く、素晴らしい枝張りでした。

夕陽に照らされた古木の太い枝から新しく生えて来ている枝から咲く桜を沢山見ました。

こうやって生命は繋がって行くのだな・・・と感じます。

今日もまた人の繋がりの素晴らしさを感じながらシャッターを切りました。

明日もまた桜を撮ります!

今月は様々な土地に出かけて桜を撮る予定です。

出来る限り、毎日更新します。

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2011年4月 5日 (火)

若い枝から咲く花

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4月4日。今日も仕事帰りに中野通りの桜を見に行って来ました。

昼間は気温が高かったのでだいぶ花が開き、今週末には満開になるでしょう。

夜は気温がグッと下がったので花もキュッと締まった感じでした。

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ライトアップがないので、光源が少ない中、光がある所を探して撮りました。

雪洞や街灯の光がないせいか、夜空がいつもより暗く感じます。

そのせいか桜が立体的に浮き出て見えました。

数年前から桜の枝が若くなってます。

古い枝を切り、若い枝が生えてくるようにしたからだそうです。

まだ枝が若くて細いので、枝垂れ桜のように垂れています。

この若い枝も人間と共に毎年太く強くなって行くのでしょう。

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2011年4月 4日 (月)

やっと桜と会えました

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今年はなかなか心に余裕が持てず、桜の蕾から開花の経過を撮る事が出来ないでいましたが、今夜ようやく桜の様子を見つめて来ました。今夜は冷えているので、桜もまだ3部咲きと言ったところでしょうか。ここ数年、西の桜も関東の桜も3月末には満開に近い状態になっていたので、今年はやけに遅く感じます。

どの土地の桜も花の開きがいつもよりちょっと遅めな感じですね。

この桜は毎年撮っている中野通りの桜。

今年の桜は白っぽいなあ~~と思いながらコンデジで撮っていて、ハッと気が付きました。

中野通り「桜まつり」の際に毎年飾っているピンク色の雪洞がないんんだ!

なるほど、だから桜も白っぽいのね。

この11年撮っていた中野通りの桜は、雪洞の色が反射してピンクっぽい夜桜に見えていたんだわ・・・。なんて、プロとしてはちょっと恥ずかしい事を今更気が付いたりして(笑)。

普段見慣れた景色と違う事を、写真を通して気が付いた夜でした。

夜桜のライトアップされた姿は最高に妖艶で美しいけれど、その場にある月明かりや少しの光源でも桜の美しさは変わらない。

人の力で美しさを更に際だたせる事もとても大切だけれど、自然を自然のままに受け止める事も大切だと感じました。

自然は人間にとって、残酷でもあるけれど、癒しや楽しみでもあり・・・

私の複雑な気持ちが入り交じった、2011年4月3日の桜です。

それでもこの目で見た桜は、今年もやっぱり綺麗でした。

桜独特の色合いが儚く、でも美しく、そして力強く・・・

どうしてかいつも、桜を見ると涙がこぼれます。

自分の目で見たままの桜の姿を写真に写したい。桜を初めて撮った11年前の気持ちが蘇りました。

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桜は、幹からひょいと咲いている事が沢山あります。

これが結構好きで、いつも撮るのですが。

「私、集団行動は苦手だから、ここから咲いてみたわ。でも可愛いでしょ?」

なんて言ってる気がして心くすぐられます(笑)。

同じ枝から一斉に咲く子達も、幹から咲く子達も、今年も桜は力強く咲き始めました。

皆さんの心にも、桜が咲きますように・・・

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